岐阜県山県市(旧高富町)にて、オンリーワンデザインのオーダーキッチン・オーダー家具のデザイン、製造、施工を行っているF-FURNITURE 藤岡木工所の設計の武藤です。
先日、豊田市美術館の企画展「東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」に行ってきました。
展示の最終日でしたが、駐車場は満車で、たくさんの人が来ていました。
東山魁夷は、清澄な風景画で知られている、戦後を代表する日本画家です。
あまり美術に詳しくない私ですが、好きな画家は東山魁夷です。
その東山魁夷が10年もの年月をかけて完成させた、唐招提寺御影堂の障壁画が今回展示されていました。
唐招提寺は奈良にある、鑑真和上が建立したお寺で、南都六宗の一つである律宗の総本山です。
唐招提寺の御影堂は、通常は非公開となっているのですが、年に一度、鑑真和上の命日に特別拝観することができます。
なかなか見ることのできない障壁画なのですが、今回は、唐招提寺御影堂の修理が行われるのに際し、豊田市美術館で展示されることになったそうです。
全68面ある障壁画を、どのように展示してあるのだろうと思っていたのですが、中に入ると実際の御影堂の間取りが見事に再現されていました。
最初に目に飛び込んできた、波の打ち寄せる海景「濤声」は、息を呑むほどの美しい青で、とても感動しました。
障壁画には、鑑真和上が視力を失い見ることのできなかった日本の風景と、鑑真和上の故郷である中国の風景が描かれています。
障壁画の展示以外にも、スケッチや下図、割出図、5分の1の試作も展示されており、構想から完成までの過程をじっくりと見ることができました。東山魁夷は実際に、日本海や中国を訪れ、たくさんのスケッチを描いたそうです。たくさんの過程を経て、この大作が出来上がったのを知り、とても勉強になりました。
結果だけでなく、そこに至るまでの過程が、とても大切だなと感じました。
美術館は展示だけでなく、建築を見るのも楽しみのひとつです。
豊田市美術館は、鉄とガラスの直線的でシンプルな建物でした。水面に映る姿も綺麗です。
小高い所に建っているので、豊田の街もよく見えました。
今度は、鑑真和上の命日に、唐招提寺に見に行きたいなと思います。